久家靖秀 / Mnemosyne exhibition

久家靖秀 / Mnemosyne

2021年1月16日(土)~3月13日(日)
Time & Style Midtown

 

外出規制が緩んだ頃、アトリエ巡りを再開してパフォーマンス撮影に行き着いた。

身体がどんどん縮こまっていくような息苦しさを感じるコロナ禍の中でパフォーマーは様々な身体表現生成の瞬間を見せつけてくれた。作品の質感については思想も技術も往復し推敲することが容易になった結果、以前では止揚し得なかった地点での表現が可能になった。

(久家靖秀)

 

久家 靖秀プロフィール

写真家

グループ展 ’94-’95年「STREET STYLE展」(V&A MUSEUM,LONDON)

主な展示 ’01-’05年「交叉配列」,’03年「Midlife Process」,’11年「Vertical Archaeology 1」,’20年「Ambulant Colors」など。

主な写真集 ’96年『AILENS』,’01年『絶対速度』,’04年『LIFT』,’05年『塩ノ花/三宅島』,’08年『庭と園』,’09年『Atelier』,’20年『LA LUZ BROTA』

2021年『Mnemosyne』

 

この度Time & Style Midtownでは久家靖秀氏を迎え、新作の写真作品を中心にご紹介致します。美術表現として、ファッションとして、メディアとして、久家靖秀の写真は、「写真」の役割を熟知した上で、一貫した独特の表情があります。表面的なテクニックでもなく、経験や技術からなるものだけでもなく、ただただ写真表現に特化した「視点」が、どの媒体と対峙してもブレない写真表現を作り出しているように感じられます。

’90年代、ストリートでのメイキングフォトから始まった久家の写真作品は、大型カメラによる私的なプリント表現や企業・メディアとのコラボレーション〈Aliens(円谷プロ)、絶対速度(ホンダ)、庭と園(AXIS)等〉を経て、’09年美術家や舞踏家のアトリエ撮影をまとめた写真集「Atelier」に結実。2020年には、コロナ禍の中で過去のプリント作品を文学的文脈で捉え直した『LA LUZ BROTA(光は発芽する)』、アトリエシリーズの新作動画『Ambulant Colors(蠢く色彩)』を発表しました。

2021年、砂山典子、池宮中夫という2名のパフォーマーが表現を生成する瞬間を絵画的に変換した新作が、Time & Styleの空間にどのように落とし込まれるのか、是非ご高覧ください。